境界の向こう側「VM in VM」

 ナイトサイエンスでポアンカレ12面体ってのがあるらしい。

 内部から外を観察しようにも、壁の向こうに見えるのがまた内部なら(そもそも壁にすら見えないわけだが)、その境界を観測する術が無い限り、観察は不可能だろう。

 映画「マトリックス」ではシステムのエラーで主人公がいきなり境界の向こうに放り出されたことで、マトリックスを認識することができた。彼が何かしたわけではない。それまでは仮想空間の中で、何も疑わずに生きてきた。

 映画「アヴァロン」では、むしろその仮想空間の中に生きることを選んだ人々が現れる。彼らはその世界に居続けるうちに、それが箱庭であることを忘れ、結果境界の外側を認識できなくなって帰れなくなる。

 こういったのはSF だけに限らず日常生活の中でも起こり得る。

 例えばとんでもない安月給で雇われている社員がいたとして、彼が自分の月給の相場を知る方法を持っていなければ、それに気づくことはないだろう。その境界とは会社や上司だ。

 境界に気づかないことは不幸だろうか。

 境界を抜けた先も、また誰か(何か)の仮想空間かもしれない。

ところで ubuntu

 Microsoft Virtual PC 2004 にインストールして起動するにはしたが、マウスを認識してくれなかった。