酒呑童子 「御伽草子 下(市古貞次校中)」より



 向学程度のつもりで読んでいたら、酒呑童子討伐直後に茨木童子が登場して少々興奮。

あまたの鬼のその中に茨木童子と名のりて、「主を討つやつばらに、手並みの程を見せん」とて、面も振らずかかりける。綱は此由見るよりも、「手並みの程は知りつらん、目に物見せてくれん」とて、追うつまくりつ、しばしが程戦ひけれども、更に勝負は見えざりけり。

 相対するは渡辺綱。この二人は以前にも二度対決して、決着がついていないライバル。シーンが目に浮かぶかのよう。

 敵大将の酒呑童子は三柱の力も借りて、力を合わせて討伐し、その直後に宿命の対決。そして総力戦へ。

 ヒーローもののメタモデルってやつか。現代でも十分通じる。

 きっと語り聞かせられていた当時の子供たちも、酒呑童子ごっことかやってたんだろうなぁ。オレは卜部季武で。

 次は前太平記でも読むか。