サマーウォーズ

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 ヴァーチャルリアリティって言うと、クリスクロスとかアヴァロンとかマトリックスとかを思い出すが、これはどうやったら実現できるか分からん世界ではなくて、もっと近くてもっと現実的*1で、とても日本的。

 この物語のテーマを最も表現していたのは、主人公の小磯健二と日本の重鎮の栄、その曾孫でありヴァーチャル世界でキングと呼ばれたカズマ、そして世界が認めるプログラマー侘助

 健二は暗号を解くために紙とペンを使い、最後は鼻血を流すほどに頭脳を駆使する。

 栄は日本の危機に対するために、家族を叱咤激励しながら、これまで直接のコミュニケーションで培ってきた人脈を動かす。

 カズマは現実の肉体を研ぎ澄ますことでヴァーチャルでヒーローとなり、そしてそれでも自分の力が及ばないことに現実で涙を流す。

 そして侘助。愛する義母のために世界最高のAIを開発し、それは世界を混乱させる元凶となる。しかし彼は言う。「俺は作っただけだ」

 どれだけヴァーチャルが発展しても、どれだけITに頼ることになろうとも、人は常に現実にあって、人の感情も現実と共にある。かっこよく言えば魂の在り処みたいな。

*1:エンジニアとしてつっこみどころはあるが