「もっと恋しくなった」が「もっとおいしくなった」に聞こえる件について

中華の始まりの日 命の皮の中で
くじらたちの飢えた
腹の残響 包まれ聞いた
ひき肉にして 混ぜて
みじん切りにして こねて
その皮に抱きしめて
この旨さ 閉じ込めたいよ


おいしさの潜む 琥珀のタネ
出会わなければ ただのパオでいられた
不意なる肉汁を放つ魂
逃がさないで 天使の羽根
この旨さ伝えるため 食われてきた


一億年と二千年前から ただおいしい(水餃子)
八千年過ぎたころから もっとおいしくなった
一億年と二千年あとも まだおいしい(焼き餃子)
生姜利いた その日から
僕の地獄に香ばしさ絶えない


君が繰り返しおいしくなって
何度も何度もみんなで食って
はらぺこ僕が眠れない僕が
しゃくしゃになったとしても
餃子の名を歌うために・・・


一億年と二千年前から ただおいしい(水餃子)
八千年過ぎたころから もっとおいしくなった
一億年と二千年あとも まだおいしい(焼き餃子)
ネギの利いた その日から
一億年と二千年前から ただおいしい(水餃子)
八千年過ぎたころから もっとおいしくなった
一億年と二千年あとも まだおいしい(焼き餃子)
ニンニク利いた その日から
僕の地獄に香ばしさ絶えない