大森「呑兵衛」

 ここの料理長とは知り合いで、行く行くと言いつつ一月あまりが経っていた。
 仙台の友人が仕事で東京に来ていて、コーヒーでもと連絡があったので、じゃぁ呑もうと初入店。
「もっと遅い時間に来ると思ってました」と料理長。基本の行動時間が深夜だしね。
 海鮮料理がメインで、日本酒が豊富。嗜好にぴったりの品ぞろえ。
 二人してとりあえず白子白子と騒ぐと、出てきたのは北海道直送。うまみが強く、歯ごたえもあって旨い。仙台でも冬になるとたらきく(白子)ばかり食べていたが、あちらは甘みが強くてとろりとした舌触り。産地でこうも違うものか。
 続いての料理は珍品、鯖の唐揚げ。鯖独特の濃い味わいと薄くまとった衣の組み合わせがなんとも言えない。
 各地の日本酒を楽しみながら、数々の料理に舌鼓み。
 これだから呑んだくれは辞められない。

ところで白子と言えば。

 石川県出身の友人いわく、地元ではよく味噌汁に入っていたそうだ。そういえば塩釜の女社長もそんなことを言っていた。元々捨てるようなものだったのを、もったいないからと嫌と言うほど食べたと。
 白子は東京ではちょっとした高級品。これもチルド配送の賜物か。