20世紀少年 22

 尻すぼみというかなんというか、ごちゃごちゃ。打ち切り?

 前半はどーなるんだどーなるんだってハラハラし通しだったのに、最後のほうはまったくスリルを感じなくなった。

 懐古主義とか過去の妄執とかいっそのことどーでもいいから、最後まで緊張させて欲しかったなぁ。


 「ともだち法案」(だっけ?)とかテロを利用した国家制圧とか恐ろしくって良かったんだけど、ウイルスが実際にばらまかれて「また何年後」ってなったあたりからどーでも良くなっちゃったんだよね。ぶっちゃけ、20年近い歴史を持たせられるだけ主人公の「カンナ」のキャラが立ってなかった。その原因が何かっちゅうと、脇役が古びちゃってっからなんだよね。

 古いキャラががんばるのは一向にかまわないんだが、若いキャラが入り込んでこないと歴史を感じない。長い時間を描くなら世代交代は常に必要でしょ。新しい血が流れないと先の展開に対する期待感がどんどん薄れていく。ケンヂ、カンナと世代交代してんだから、もっかいくらい交代したほうが良かったんじゃないだろうか。それにしちゃぁ、カンナを描ききれてないって部分もあったけど、間延びするよか遥かにいい。

 ストーリーをおおまかに分けるなら、万丈目の死が大きな分岐点になるんだろう。利用する大人がいて才ある子供の世界が秩序立っていた前半と、この大人の死によって秩序を失って子供の遊びが暴走する後半。面白い試みだと思う。小学生同士のちょっとした因縁が世界テロにつながるってのも、滑稽さと驚きと恐怖をうまく引き出せるネタ。んでもそれをとりまく人物たちがあまりに貧弱で、「途方もなさ」を説得するには全然足りなかった。特に後半の暴走した世界はもっと凄惨に描いても良かったんじゃないだろうか。たとえば人の滑稽さは人の死に起因しているとか、狂気がさらに狂気を生んでいくとか、滑稽さや恐怖を表現する材料がもっと必要だったと思う。

 うまくまとまらん。

 まあ、PLUTO ではMONSTER のように最後まで緊張させてくれることを期待している。



 。。。まだ終わってないって?

REFERENCES

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (22) (ビッグコミックス)

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (22) (ビッグコミックス)